見に行きました、紅葉が"参加"(特別出演とかではないところが味)する
新生松竹新喜劇師走公演。
紅葉が出ていなかったら決して見ようとは思わなかっただろうな。
同じ大阪松竹座でも、こういうのの方がよっぽど面白そうだ。
友人は手紙付きのプレゼントを持参していた。
受付の人に預けようとしたら、終演後楽屋に行って直接
渡してもいいとのこと!
迷ったけど、初めての観劇だし、何時ごろ楽屋に入れるか
分からないそうなので預けることにした。
もったいないことをしたかなー。
演目は「幸助餅」と「裏町の友情」の2本立て。
紅葉がいつ出るかとどきどきしっぱなし。
1本目には登場せず。でも、人情ものの話で面白かった。
紅葉が出演する2本目は、長年喧嘩している隣同士の
クリーニング店と燃料店の話。
燃料店の娘が嫁ぎ先から戻ってきたが、離婚したかったら
借金を返せと嫁ぎ先から迫られる。
困った燃料店は、店を売ってお金を作ることを決心。
それを知ったクリーニング店が喧嘩相手の燃料店にこっそり
お金を回そうとして、思わぬハプニングが起こる、という筋書き。
紅葉はクリーニング店の奥さん役。
観客の平均年齢は65~70歳くらい。
しかし、みんなテンションが低い。
メインの役者が出ても拍手はまばら、掛け声も「いよっ」みたい
なのがたまに起こった程度。
こんな雰囲気で、紅葉の名を叫べるだろうか・・・。
2本目が始まり、神経が昂ぶってきた。叫ぶしかない心境だ。
とうとう紅葉が舞台に登場、沸き起こる(まばらな)拍手そして、
「もみちゃーん!!」
私は力の限り叫んだ。少し遅れて友人も叫んだ。
後ろの席の人が、あの人たち(私たちのこと)は何? ああ(紅葉が)テレビに
出ている人だからか、と喋っていたらしい。
興奮してしまい、しばらくは芝居の内容も分からない状態だった。
奇しくも今日は千秋楽だった。
上演後に出演者一同が舞台で挨拶。
今回のゲスト参加者として紅葉が紹介され、そのときも私は叫んだ。
「紅葉っ!」
なんと「うわばみ紅葉」と呼ばれていて、紅葉の尋常でない酒好きがまた
証明されることとなった。
掛け声をかけることができたので、悔いなし。
でも、紅葉の芝居には不満が残った。
喜劇なのに、紅葉はおもしろいことを一つも言わないししなかったのだ。
喧嘩相手の燃料店の夫婦と言い合いをすることもなく、単なるおとなしい
奥さんに徹していた。セリフも少なかったし。
2時間サスペンスの裏女王はどこに行ったんだ!?
劇中でマツケンサンバを踊る町内の人たちが出てきて、音楽も流れていたのに、
紅葉は反応なし。てっきり紅葉が踊りだすと思ったのに!
酒が入らないと踊れないのか!
思うに、紅葉の役はもともとは喜劇らしい、ちゃきちゃきの奥さんと
いう設定だったのではないだろうか。
それが稽古の途中で紅葉の芝居が暴走するか何かの問題が起こり、
おとなしい役に変更されたのではないか。
そうでもなかったら、わざわざ高い(かどうか知らないけど)ギャラを
払ってまでこんな地味な役のために紅葉を参加させるというのは考えにくい。
あと、舞台挨拶での紅葉は、緊張しているのか表情が硬かった。
舞台経験が何回もある役者とは思えない初々しさだった。
きっと何かあったのだ、私はそう思いたい。
そしてそれが紅葉の特殊性なのだろう。